元は教会の鐘でした

2013年10月17日 23:50

山門の二階に吊るした梵鐘です。口径54cm、高さ103cm、重量200㎏。実は梵鐘なのか半鐘なのか微妙なサイズです。

元々はチャペルに吊るされていた鐘でした(実物写真がないのでイメージです)。それを溶かして作り直すと、一番上のような姿になりました。

これが在りし日のチャペル…実は島根県松江市にあった、ルイスCティファニー庭園美術館という施設でした。指輪とかで有名なデザイナー、ティファニーがデザインした作品が収蔵されており、一番の目玉が英国風庭園の中にある、ティファニーがデザインしたチャペルのレプリカだったんですね。鐘は左側にそびえる鐘楼に吊るされたカリヨンの一つでした。結婚式場としても使われていました。

また、美術館自体も観光客を集め、大阪から夜行の直通バスが出ていたぐらい流行っていたそうですが、結局、建物を建てた松江市と、展示品を委託していた人物がもめ事になり、展示品を引き上げてしまったために美術館は運営不能、その後、建物は解体され、現在は英国風庭園だけ残っているようです。

で、その鐘が巡り巡ってうちの寺にきました。さてどうしたものか…この時点で130㌔の大きな鐘…全国にある9軒ある梵鐘屋さんに「この鐘を溶かして梵鐘にならないか」とメールを送ってみました。無視したとこ、吹っ掛けてきたとこ、廃業するからと断ってきたとこ、そんな小さいのは梵鐘ではないから作らないと言ってきたとこ、忘れたころに電話かけてきたとこ…そんななか、山形の職人さんが、「やってみましょう」と名乗りを上げてくださいました。実は以前に鉄腕ダッシュで、ダッシュ村に半鐘を作った職人さんでした。

そしてデザインとして、住職のこだわりで、天女像などの図柄をお願いしました。この梵鐘に入っている天女、伽陵頻迦、唐草などは、ずいぶん前に亡くなった、文様絵師・山崎昭二郎という方が遺された下絵でした。文化庁の依頼を受けて、文化財の社寺の壁画や彩色を模写して創建当時の姿を再現する仕事をされていた方でした。遺族の方に連絡を取り「まだ覚えていてくださった」と、たいそう喜ばれ…と大勢の方の願いをいただいてこの鐘は完成しました。

元が教会の鐘なので、日本の梵鐘とは青銅の金属配合が違うのでそのままだと、ゴーン」でなくガーンという耳障りな音になるので、職人さんは配合に苦労したようですが、優しい響きの鐘になりました。元が洋鐘なので余韻がものすごく長い…と言われてましたが。

 

 

 

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