報恩講は、浄土真宗最大の行事です。東本願寺では11月22日から28日まで七日間、末寺では、本山より先にお勤めするのが一般的です。「お取り越し」と言います。
さて、報恩講、何のための法要かと言いますと、宗祖である親鸞聖人の御命日の法要です。ただ、御命日の法要と言っても、決して冥福を祈ったりはしません。どだい、宗祖の冥福祈って「祟らんといて下さい、いいとこへいってください…」なんていう宗教が有ったらヘンです。報恩…ご恩に報いる…とは、何でしょうか。じつは、親鸞聖人は我々後に続く者に、本当に生きるとはどういう事なのかを示して下さったのですね。それは実に簡単なことで、「本願を信じ念仏を申さば佛になる」これだけです。これをしめしてくださったのがご恩なんです。
だけど、我々は、この実に簡単なことができないんですね。だからこそ、年に一回の報恩講に遇うことで、決意新たに念仏の道を歩む人になるそれが、親鸞聖人の恩に報いることになるのです。